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紀州のドン・ファン ー美女4000人に30億円を貢いだ男ー を読んで勝手に人生終えてる場合じゃないなと決意を新たにした

紀州ドン・ファン 野崎幸助さん。

連日のニュースになるまで、僕はこの人の名前すら知らなかった。

 

 

そして連日のニュースを受け、彼の存在を知り、また本を執筆していることも知った。

ベストセラーにもなっているそうだ。 

 本を読んだ感想を言うと、男であれば誰もが彼から学ぶべきことが沢山あるということだ。

 

 

 

タイトルを見た瞬間はそんなに期待していなかったが、これが読み始めるとかなり読みやすく、4時間ほどで読みきってしまった。

 

 

 

彼の行動理念はシンプルで「いい女とセックスがしたい」という、男なら誰しもが思い描くものだ。

しかし彼はそれを実現するために様々な努力を行う。

 

1941年、7人兄弟の三男坊として和歌山県田辺市に生まれ、終戦直後の混乱の中に少年時代を過ごす。

中学2年の秋に同級生の美幸ちゃんを畑の作業小屋に「宿題を教えてくれるかな?その後祭りに行こう」という文句で誘い、畑小屋で童貞を喪失する。

そこで性行為の楽しみを知った彼は「いい女とセックスがしたい」という人生の目標に向かって突き進んでいく。

 

彼の家は裕福ではなかったので中学を卒業して当たり前のように働き始めたが、雇われた会社が奴隷のように彼をこき使い、寮住まいでエッチができなかったことにも嫌気がさし1年で会社を辞めてしまう。

その後、地元に戻り自分で商売をすることになるのだが、最初に選んだ仕事は「鉄くず拾い」であった。

太平洋戦争でアメリカのB-29から投下された爆弾の破片を回収したり、工場から出る鉄くずを整理したりして、それを鉄くず屋に売るという仕事だ。

しばらくその仕事をしていたある日、鉄くず屋の元締めであるグッチ先輩(名字が山口でグッチ先輩らしい)とホルモン屋で飲んでいた。

 

「先輩、どうしたらモテるんでしょうね」

「そりゃあ、金持ちになるにこしたことはないなぁ」

「どうすれば金持ちになれますか?」

「それは難しい問題だよなぁ。親が金持ちなら簡単だろうけど、お前は違うからダメだ。まずは資本家にならないと資本主義社会で勝ちあがれないと思う。でも、急に資本家になるのは無理だから、種銭となる小金を貯めることだ。ある程度お金ができれば金が金を生むようになるから」

「へえ、そんなもんですか」

 

ここから野崎少年は仕事について色々と考え始める。

好みの女性を口説くための軍資金を得るために、額に汗して働くことは嫌いではないのだが、このまま鉄くず屋を続けても生活するだけで軍資金を得るまでの余裕が生まれないと思った彼は、コンドームの訪問販売を始めようと決心する。

 

当時は「貧乏人の子沢山」とも言われ、子供がたくさんできすぎて困っていた家がたくさんあったが、コンドームは恥ずかしくてなかなか店では買いにくい。

だから自宅を訪ねて販売すれば売れるのではないかと考えたのだ。

 

もちろん最初から上手くいくわけではない。罵声を浴びせられ、思うように売れない日々が続く。

それでも諦めず試行錯誤を繰り返し、どういうセールストークをすればいいのか、どういう家を訪問すればいいのか、時間帯はいつがいいのかなどを考えに考えた。

やがてコンドームが飛ぶように売れ始め、当時の大卒の給料の3倍を軽く稼ぐようになったのだ。

また、彼の営業戦略の1つに「実演販売」というものがあった。

これは訪問先で寂しくしている奥さんの相手をして、見返りにコンドームを買ってもらうというものだった。

官能小説に出てくるような美女との出会いは皆無だったが、彼は目をつむって、若くて綺麗な女を思い浮かべながら必死に奥さんの相手をしたのだ。

 

やがて薬局が増えて、コンドームの訪問販売も徐々に売り上げが落ちていく。

そこで次に彼が目をつけたのは金貸しである。

そこから先は彼の本に譲ることにするが、どういう戦略で金融業を成功させていったかが詳細に書かれており、読み応えがあった。

 

何より彼は年齢を言い訳にしなかった。

「75歳でも現役でエッチをしている。1日3回も別に普通のこと。」と本の中に堂々と記載しているのだ。

 

それは全ての中年男性が諦めていた、しかし雄の根幹を成す部分であると思う。

これを見て「自分の人生を勝手に終わらせている場合ではない」と深く反省した。

 

 

そういう気持ちになって己を奮い立たせてくれる本であった。

 

「常識より、気持ちに従う」

 

この言葉を胸に、今日から生きていきたいと思う。