持ち家と賃貸、どちらがオトクなのかという議論について
若い頃に比べて一番変わったなと思うことは「生活のことについて考える時間」というのが、圧倒的に増えたということです。
その中でも一番考えるようになったのが「家」の事についでです。
僕くらいの年齢(30歳前後)になると、結婚し子供ができ、家を買う人が出てきます。
良い大学を出て、良い会社に入る時代は終わった!と息巻き、他の人とは違う道を歩もうとしていた人たちが、気づけば王道を行くサラリーマンになっていくのを見ると社会は怖いなと思い知らされますね。
「金利が安い今が、家の買い時」
「家賃を払い続けても賃貸だと自分の手元に何も残らない」
「子供に残せる資産になる」
家を買った人は次々とこういった事を言い始め、まるで不動産会社の営業のように友人にマイホーム購入を勧めてくるようになりますね?
だけど
「今ひとつマイホーム購入を決意できない」
今日はそんなあなたのための考察記事です。
■マイホームを買うことは本当にお得なのか?
マイホームを買う事は賃貸で暮らし続けるより得をしているわけではありません。
よく言われていることですが、ただ単にレバレッジをかけた不動産投資をしているだけです。
レバレッジとは借金をして何かに投資をすることです。
例えば5000万円の家を買うのに手元に1000万円しか貯金がなかった場合、4000万円を銀行から借りて家を買うことになります。
これはレバレッジ5倍で不動産投資をしたということになります。
「え?でも自分で住む家は投資じゃねーじゃん?バカジャネーノ!」って思った方もいると思いますが、そんな方のために説明をしましょう。
例えばこの先景気が悪くなり、あなたが勤めていた会社が運悪く倒産してしまったとしましょう。
次の職を探し、無事に再就職できまたがやはり不景気の煽りを受け給与面などの条件があまり芳しくありませんでした。
「住宅ローンが払えない…」
こんな時、お金を貸してくれいる銀行は優しい言葉をかけてくれるでしょうか?
答えはもちろんNoで「マイホームを売却してすぐに借金を返済して下さい」と言われます。
しかし、土地や家というのは時の流れとともに価値が変化していきます。
購入した土地の周りが運よく開発され、駅や商業施設などが出来れば土地の値段は上がりますが、下がる場合ももちろんあります。
建物の値段など、人が住み続ければ下がっていく一方です。
そんなこんなで土地と家を合わせて2000万円の価値にしかならなかった場合、例えば4000万円の借金をして家を購入したとしたら手元に残るのは借金2000万円ということになります。
「そんな悪い方にばっか話が進むわけねーじゃねーか!不安ばっか煽るなよ!」と思われるかもしれませんが、土地バブル崩壊後、不動産価格の暴落とともに長い不景気に襲われた1990年代は、リストラでこういった人たちが続出しました。
僕の妄想の中だけの話ではないのです。
つまるところ、持ち家というのは買った人のものではなく、お金を返すまでは銀行のものなのです。
一方で賃貸はこうったリスクとは無縁です。
なぜなら不動産を持つ必要が無いからです。
■離婚率から考える
2015年の統計ですが、日本の夫婦の3組に1組が離婚をするそうです。
※この統計自体に疑問は残りますが(婚姻数、離婚数共に2015年度に婚姻、離婚したものをカウントしているが、そもそも最近は婚姻数(分母)が減っているので離婚率が増えるのは当然という意見)、ここではマイホームの話をしたいだけなので3組に1組が離婚するとします。
日本の法律では、婚姻中に築いた財産は全て夫婦で分けるようになっています。
マイホームも例外ではありません。
要するに33%の確率で必死こいて働いてやっとの思いで購入した家の半分は、嫌いになった人の物になってしまうということです。
僕はポケモンというゲームを一生懸命やっていた時期があります。
ポケモンには技の命中率というものがあるのですが、命中率70%の技なんてハズレた時のリスクがでかすぎて採用できません。
ですので「66%の確率でうまくいきます」と言われても、全くうまくいく自信がありませんので僕はマイホーム購入を踏み切れません。
ということで僕なりの結論ですが
- マイホーム購入若くして決断しない
- どうしても欲しい場合、若いうちは賃貸で生活し貯金をする。老後に退職金+貯金で夫婦で住む家を購入(子供がいるうちに家を買っても子供は家を出て行くので部屋が1つ無駄になる)
- 老後に住む家は2の方法で買うか、投資収益で家賃を払う。